3月23日(金)終業式が行われました。
平成29年度3学期終業式訓話
この写真の中には、雪国が抱えている大きな課題があります。何かわかりますか。
省エネルギーを目的に実用化されたLED信号機でしたが、従来の電球型信号機に比べ、信号の表面温度が低いため雪が付着して見えにくいという問題が生じてしまいました。
この課題解決に青森県のある農業高校の女生徒が取り組みました。その課題解決のヒントになったのは、なんとヨーグルトのふたでした。以前はヨーグルトのふたには、べっとりとヨーグルトがついていたものですが、最近は、確かに全くついていませんね。
もう一つは、中学校の理科で勉強した「ハスの葉はよく水をはじく」ということでした。
彼女の研究は、京都大学の教授に認められ京都大学のチームと合同で研究することになったそうです。
本校では、1年生が「地域産業研究」に、2年生が「課題研究」に取り組んでいます。1年生は12月に発表会を、2年生は先日ポスターセッションという形で発表会をしました。
私たちの身の回りには、多くの課題が潜んでいます。また、その課題解決のヒントも日常生活の中に潜んでいます。
この農業高校の生徒の優れていた点は、困っている人たちの役に立ちたいという貢献意欲と何気ない日常の中での鋭い観察力、そして、日々学校の授業で習っている基礎基本をおろそかにしなかったことにあると思います。
みなさんは、こんなこと勉強して何の役に立つのだろうか、と思っていることもあるかもしれません。しかし、日々授業で学んでいることはこうして思わぬところで役に立つこともあるし、物事を考える思考力・判断力・表現力を養うことにも大いに役に立っています。
日々授業で得た知識、技能は皆さんの血となり肉となっています。一円にもならない、何の役にも立たない知識がまさしく教養といわれるものなのです。
皆さんには、2学期の初めにレゴブロック型思考力という話をしました。日々の授業で皆さんが得ている知識・技能は、まさしく一つのレゴブロックです。どこに使うかわからないブロックもあるかもしれません。しかし何かを創ろうとするときに、まったく無駄なブロックは一つもありません。
ぜひ日々の授業を、家庭での学習を大切にしてほしいと思います。
新しい年度に向け、今からしっかり準備をしてください。
来年度がみなさんにとってさらなる飛躍の年度になることを祈念して3学期終業式の訓話とします。