12月22日(金)終業式が行われました。
校長訓話
「天国と地獄」
今日は皆さんに「天国と地獄」にまつわる逸話を紹介したいと思います。
みなさんは、もし地獄があるとすれば地獄はどのようなところだとイメージしているでしょうか。暗い地の底で閻魔大王がいて、湯がぐらぐらと煮えたぎる大きな釜の中で、悪事を働いた亡者どもがもだえ苦しんでいる。一方、天国はと言えば、明るくさわやかな天空で天使たちが囁き合う中、善人たちが楽しく暮らしている。そんなイメージを持っているかもしれませんね。
実は、天国と地獄は隣り合わせであるそうです。地獄にはたくさんの御馳走とその御馳走を食べる長~い箸があるそうです。地獄の亡者たちはその長~い箸でごちそうを食べようとするのですが、箸が長すぎて自分の口に入れられず、飢えて醜く争っているんだそうです。天国でも実は同じようにたくさんの御馳走と長~い箸があるそうですが、誰も飢えることなく楽しく幸せに暮らしているそうです。さて、なぜでしょう?
天国では、その長~い箸で他の人に御馳走を食べさせてあげているんだそうです。
この話をどこかで読んだぞ、という人はいますか?実はこれは、1年生が受けた高校入試の英語の問題に出てきた話です。この出典は、海堂尊さんの「極北クレイマー」という本の一節です。海堂尊さんといえば「チームバチスタの栄光」という作品で有名になった作家です。
みなさんは、日ごろの学習、部活動、学校行事の中で、常に他者を意識しながら学校生活を送っています。他者に対するちょっとした思いやり、配慮ができるかどうかは天国と地獄ほども違うということをよく理解してほしいと思います。
2学期を振り返ってみますと、学園祭、地域産業研究インターンシップ、東京研修、課題研究発表会、部活動各種大会など、たくさんの行事がありました。みなさんは、日々の学習を大切にしながら、何事にも主体的に取り組み、常に汗をかき、常識を学び、経験を積んできました。そしてときに常識を疑い、チャレンジをしてきたと思います。一人一人の頑張りはもちろんですが、「チーム三高」として友人を思いやり、協力して成し遂げたものも多かったと思います。そういう意味でも実り多い2学期ではあったと思っています。
2017年を振り返り、自分自身として頑張ったこと、失敗したこと、うれしかったこと、つらかったこと、良いことも辛いことも、様々あったと思います。しかし、そんな一つ一つのことがあればこそ今があるということに気付いてほしいと思います。また、多くの人に協力してもらったことに対する感謝の気持ちを忘れないでほしいと思います。
2018年がみなさんにとって素晴らしい年になるよう願って終業式の訓話とします。